大河ドラマの高橋一生がしんどい【時代劇コラム】
Category: 時代劇 2017年5月13日時代劇好き! 大河ドラマ好き! のデザイナーが、時代劇へのパッションを綴ります。
今年の大河ドラマ『おんな城主 直虎』。高橋一生の演技やばすぎて毎週心臓掴まれすぎて、しんどいです。
報われない高橋一生を見て鬱々とした気持ちと「ああ今日も可愛かったな」という気持ちを交互に抱えながら、毎週月曜日を迎えています。
高橋一生演じる小野但馬守政次(おのたじまのかみ まさつぐ)君はどんな役どころなのかというと…
「本当は心優しい穏やかで賢い人。なのに、生まれ育った井伊の国を超ビッグで危ない隣国から守るため、わざと冷酷な裏切り者を演じて味方から疎まれる。しくじれば隣国に殺される。」という役。
しかも、守りたいのは国だけじゃ無いんですよ。初恋の人・井伊の領主である直虎(柴咲コウ)を守りたいんですよ。
なのに、直虎からも嫌われるくらい、嫌な奴を演じるんですよ。
もう、しんどい。
無理すんなよ…直虎から話しかけられた時ちょっと嬉しそうな顔、漏れちゃってるよ…そんなに好きか…
でも直虎にも、国のみんなにも疎まれてる…って、しんどくなる。つらい。
毎週日曜日20時は、全国の高橋一生&政次ファンが眉間にしわを寄せて「政次くん頑張って」と思っているはず。
なんせ、演じてる高橋一生ですらそう思ってるらしいのですから。
「(政次は)すべての物事において常に表裏を使い分けなくてはいけない複雑な人間に仕上がってしまっているんです。それは今後も変わることがありません。
僕はそんな政次を“よしよし”してあげたい。「がんばっていこう」って(笑)。そんな風になるべく但馬に寄り添ってお芝居ができたらと思っています。」
(大河ドラマ公式サイト インタビューより抜粋)
はい。まぎれもなく、2017年度、報われてほしい人ナンバーワンです。
「高橋一生の演技」という国宝
正直、去年の大河ドラマ『真田丸』が良作すぎて、今年に期待してなかったんです。だって去年、フィーバーがヤバかったよね。歴史ファンも大河ドラマファンも、歴史興味なかった人も、みんな盛り上がったよね。
それほど、歴史×ドラマの最高地点に辿り着いちゃった名作だったんです、『真田丸』は。
「今年は真田丸と同じ戦国時代の話だけど、女性が主人公でしかも恋愛要素入ってきそうだからなあ〜比較しちゃうよ〜」って思ってたところを引き締めてくれたのが、高橋一生。
演技がやばい。セリフを言わない、会話の間の演技が特にやばい。
言葉の行間を読ませるような余白の取り方、呼吸ひとつひとつの演技、瞬きの回数、視線の動かし方。見ていて、息をするのも忘れちゃうほど。
もはや「高橋一生の演技」という国宝の域。
裏切り者を演じる時は瞳に光が入らない。心のシャッター閉じちゃったのがわかる。
振り返った瞬間に、本来の優しい政次の表情になる。
本心を隠すため、直虎に見えていない片方の目だけ涙を流す。
計算高くて鉄壁のガードかと思いきや、気持ちが隠しきれなくて口元や目元がワナワナする。
誰もいない場所で、亡くなった親友に「あいつ(直虎)の夢枕にでも立ち言うてくれぬかの、亀。危うくなるゆえ、早く下がれと…」なんて吐露してる場面、うっすら涙をたたえていて切なさMAX。本心を語れる相手が、もうこの世にいない友達だけ…!
極め付けは、不意に直虎に話しかけられてガードが緩み「今さら嫁にもらって欲しいと言っても願い下げです」なんてジョーク! 「それ本心隠してるの丸見えだよ政次さん!! ジョークになってないよ!!!」シーンですね。
しかし政次のラブには一切気づかない直虎っていう…しんどさ&若干のキュンが全開です。
いままで別に高橋氏に関しては「素敵な役者さんだなあー」くらいにしか思ってなかったのですが、今年の大河ドラマの彼は絶品ですね。拝謁できて嬉しゅうございます。出演してくだすってありがとうございます。
できるなら、政次くんの処刑は無しバージョンでお話進みませんかね。
無理ですよね。
でも、直虎と理解しあえてしまった現在(第18回『裏切りという名の鶴』放送終了後)、もう、政次が退場してしまったら視聴者のライフはゼロです。
マッチョ坊主・傑山(市原隼人)しか心の拠り所がありません。
政次生存ルート(確率ほぼ無し)を祈るばかりです。南無。