推しの二つ目といえば春風亭正太郎さん!柳家喬太郎師匠とのヨーロッパツアー報告落語会に行ったよ【落語コラム】
Category: 落語 2017年12月17日
落語好きデザイナーが、「落語のここが良いのよ面白いのよ〜」というやり場のない気持ちを、気ままにお届けします。
推しの落語家の二つ目といえば「春風亭正太郎(しゅんぷうてい・しょうたろう)さん!」と即答します。
引き込まれ聞きやすい落語、あと何と言っても本人も自称してらっしゃる「カピパラ似の顔」がね、愛嬌があって、物腰も柔らかくて、塾講師の経験もあるせいか声が凛と通ってて。
「あ、絶対この人いい人だ」って感じのお方なんですよ〜(勝手に何様目線で申し訳ないけど本当なんだもん)
初めて観た時から大好きな落語家さんです。
そんな正太郎さんが、これまた私の大好きな柳家喬太郎(やなぎや・きょうたろう)師匠の欧州落語ツアーに同行。
その様子は主に正太郎さんのツイッターで発信されていたので、日々チェックしていました。
(春風亭正太郎さんツイッターより)
正太郎さんはツイッターやブログの更新がマメ。落語界隈を正太郎さんのSNSから伺えるの、ファンとしてはとっても嬉しいです。
それに、レスポンスもご丁寧だし、落語に限らない細やかな仕事っぷりが本当にスゴい。
「ダウントン・アビー」の助け舟ありがとうございました!!きちんとご挨拶できずに申し訳ありません💦また遊びに来て下さい🙇🏻
— 春風亭正太郎 (@shoutarou0823tk) 2017年12月16日
だってこんなことまでご丁寧にコメントくださるんですよ…! ありがたすぎる…!!!
さて、2017年12月16日に、その欧州ツアーから帰国した正太郎さんによる報告落語会『正太郎の冒険 番外編「欧州帰りの正太郎の報告会」』が開催されました。
喬太郎師匠の様子や落語会の観客のリアクション、現地での生活などなど、写真も見せていただきながらたっぷり伺いましょう!
(もちろん、落語もやりますよ〜)
とのことだったので、こりゃあ行くしか無い! と意気揚々参加してきました!
喬太郎&正太郎のオフショットinヨーロッパ
(春風亭正太郎さんツイッターより)
会の前半は、正太郎さんが写真とともに欧州での様子をお話してくださいました。
意気揚々と行った割には遅刻してしまい、なんだかんだで最前列が充てがわれ、私の隣に正太郎さんが座ってプロジェクターを操作しながらお話してるという状態に。
遅刻してすみません…しかしお得な席だった!
会場の食堂ピッコロさん(東京・日本橋)は定期的に落語会を開催されていて、アットホームな雰囲気でした。
プロジェクターを指しながら説明するために、指し棒ではなくなんと靴べらを与えられる正太郎さんが見られるくらい、アットホームでした。笑った。
(春風亭正太郎さんツイッターより)
イラストがめちゃめちゃお上手な正太郎さん。
「私イラストレーターなんじゃないかってくらい今日はずっとこの地図を描いてました! なんて。」と仰りながらご紹介されたのは、欧州各国の地図イラスト。
すごく魅力的! こういうトラベル記録をイラストで表せるスキル、すごく憧れます。
正太郎さんは発信する才能に溢れてる。
(春風亭正太郎さんツイッターより)
ツイッターで発信されていた写真の他にも色々なショットを見せていただきました(撮影NGだったので記憶に一生懸命とどめました)。
特にアイルランドとイギリスの写真、面白かったなー!
私がほぼ毎年渡英するイギリス贔屓ってこともあるけど(正太郎さんもイギリス文化がお好きだそう。なんだか嬉しい。)、
ツッコミどころ満載のミステリーツアーや、正太郎さんいわく「国民の半分が酔っ払ってる」からやたら絡んでくる酔っぱらいおじさんと「勘弁してくれよ」って顔の喬太郎師匠とか。
(春風亭正太郎さんツイッターより)
欧州ツアーの会場は各地の大学。会場設営もなんと正太郎さんたちがご自身でされたそう!
高座というものが無いから大学のコピー紙や本を積み上げて代用したり、大学側の規制に引っかからないよう苦心したり。
高座を作ってたら「そんな高いところで喋って落ちて死んだらどうするんだ!!」って注意されたエピソード、笑った。落語は命がけですね。
それでも「なにもない所でやれる落語がカッコいいんじゃないか」と取り組んだおふたりと同行したスタッフさんたち。これぞプロ!
また、現地で日本について学んでいる学生さんたちが町を案内してくれたそうで、彼&彼女たちと喬太郎&正太郎さんがめちゃめちゃ笑顔で写ってる写真が印象的でした。
(春風亭正太郎さんブログより)
アイスランドでダチョウ倶楽部をするプロデューサーの馬場さん、喬太郎師匠、正太郎さん。愛しいくらいかわいい。
アイスランドでは大使館で会食があったそうで、紋付き袴で向かったそう。そこでお腹の調子が悪くなった正太郎さん、トイレにいくため一度袴を脱ぎ、そしてまた急いで着ているところを喬太郎師匠が手伝ってくれたそうな。
着替えの手伝いは前座さんがするようなことなので、喬太郎師匠の懐の深さとか、正太郎さんと師匠のあったかい関係性とか、窺い知れるエピソードでした。
(春風亭正太郎さんツイッターより)
いつも思ってるんだけど正太郎さんの「後輩力」みたいなものが凄い。真摯で誠実な感じが伝わってきます。「後輩力」のコツ、まとめて本にしてほしい。(邪な心の声)
正太郎さんの子供は本当に無邪気でかわいい…年末に染みる落語「ねずみ」
中入り(休憩)のあとは落語。
「今日の落語はおまけですから」なんて仰りながらかけたのは「ねずみ」。
やったー! 好きなお噺(はなし)です。
小さくて客の少ない宿屋「ねずみ屋」に泊まった彫刻の名人・左甚五郎(ひだり・じんごろう)。
苦労を重ねてきた親子の話を聞いた甚五郎は、ねずみの彫刻を掘り置いていく。甚五郎が命を吹き込んで創ったねずみは、チョロチョロと動き出す。
それに惹かれた客が殺到し、ねずみ屋は繁盛するが…
という内容。
「竹の水仙」もそうだけど、甚五郎親分が出てきて芸で人を助けるお噺、好きなんですよね〜。
名人はかくあるべき、みたいな日本人のDNAに訴えられてる感じがする。
そして正太郎さんご自身がイラストも描かれるクリエイターだからか、甚五郎を語る姿に妙に説得力がある気がします。
「ねずみ」に登場する少年は11歳でせっせと働く親孝行者。
「ねえねえおじちゃん、泊まってかない?」
「おじちゃんは、布団で、寝たい?」
と無邪気に話す様子を、正太郎さんが表情筋目いっぱいに使って、なんだかハムスターみたいに演じられてて。
母性本能が働きそうなくらい、憎めなくてかわいい子供でした。
「初天神」とか、頭のいい子供を上手く演じられる落語家さんって惹かれます。
動きまわる彫刻のねずみを初めて見る仙台なまりバリバリの仙台っ子の口調がまた面白くて!
「ねずみ」みたいな、小さな努力が報われる噺って、一年の総決算に追われる年末に聞くと何だか染みるな…という発見もしました(笑)。
あ、あと正太郎さんの着物コーデが素敵でした!
マットな紺の羽織+茶色の半襟+ゴールドのような小麦色の着物の組み合わせが、陶器のような色合いで上品。見入っちゃった。
あんなコーデしたいなあ。
とつかりょうこさんの落語手ぬぐいもゲット!
会場のピッコロさんでは、欧州ツアーのグッズイラストを担当したとつかりょうこさんの作品展示も開催されてました。
ピッコロさんのロゴを作られたのも、とつかさん。
版画のようなあたたかみのある線がとにかくかわいい!
かわいくデフォルメしてるのに、落語家さんの似顔絵は似てるってすごい。
原画も展示されていて、マジック(なのかな)でひと塗り、ひと線、丁寧に描かれているの間近で見れました。圧倒…!
ずっと欲しいと思ってチャンスを逃していた欧州ツアー手ぬぐいと、2016年に作られた春風亭一之輔(しゅんぷうてい・いちのすけ)師匠&立川こはるさんの手ぬぐいゲットできました。かわいかろう。
ということで、益々正太郎さんを応援したくなる落語会でした。