初めての落語には柳家喬太郎がおすすめ!【落語コラム】

Category: 落語 2017年3月3日 08_02

落語好きデザイナーが、「落語のここが良いのよ面白いのよ〜」というやり場のない気持ちを、独自の視点でお届けします。

「チケットが取れない落語家」筆頭、新作落語の開拓者、前座の頃から頭ひとつ抜けてた、かわいい太り方をしてるおじちゃん。その名も柳家喬太郎。
(個人的見解です)

喬太郎師匠は、私が一番好きな落語家さんです。通称、キョンキョン
大学生の時、先生にキョンキョンの落語を見せてもらってから落語にハマりました。そういう意味でも、落語初めての人におすすめの落語家さんです。

初めて見る落語が、面白いかどうかで落語にハマれるかが決まると思うんです。落語家さんによって得意な噺、苦手な噺があるんだけど、キョンキョンはオールマイティー。会場の空気に合わせた機転も利くから「今日のキョンキョンはイマイチだったなあ」なんてことがほぼありません。
いつ見ても楽しい実力派落語家、それが喬太郎なんです。

キョンキョンは見た目も可愛くてですね。
目も身体も丸っとしていて、壇上に上がるとライトに照らされて、ほっぺたにアンパ●マンみたいな、四角いハイライトができるの。まるっ!ぴかっ!って感じ。
kyon

はー、かわいい。

前座時代から売れっ子になるのが見えていた落語家

そんなキョンキョンのバックグラウンドをちょっとご紹介。
落語好きな皆さんはご存知かと思いますが、キョンキョンはオチ研(落語研究会)に所属していた大学時代から人気があって。卒業後は落語家になるのかと思いきや、書店員に。でもやっぱり落語諦めらんねエよ、ってことで、柳家さん喬に弟子入り。

前座から上がって二つ目の時にNHK新人大賞の落語部門で創作落語『午後の保健室』を演じ大賞を受賞。真打昇進後の2006年には芸術選奨新人賞を受賞
2009年文藝春秋社のムック本『今おもしろい落語家ベスト50』では、春風亭昇太、立川志の輔などゴールデンメンバーを抑えて、堂々の1位。落語協会の理事にもなってます。
漫画、アニメで流行した『落語心中』とコラボして落語会したり、2017年には映画『スプリング・ハズ・カム』で主演したり。やわらかーく時代に合った活動されてます。

会場の時間がキュッと操られる

ここからはそんな実力者・キョンキョンに対して私が思う「ここがすごいよ喬太郎!」を語ります。

むかーしから落語家に伝わる「古典落語」と自作の「新作落語」、キョンキョンはどっちもこなす天才。

私はキョンキョンの新作落語『ハワイの雪』が、初めて聞いた落語でした。そして落語にハマった。落語っておじいさんが滔々と話してるイメージだったけど、キョンキョンの落語はマジでエンターテイメント
語り口調は平成の現代語だし、若者の口調うますぎて普通にいそうだし、座布団の上からアクロバティックに動くし。キョンキョンから目が離せないでいると、いつのまにか噺の世界にトリップしちゃうんですね。

キョンキョンの落語を見ていて感じるのが、観客が爆笑したタイミングで「キュッ」とダークな空気や物悲しい空気、驚きの空気を絶妙なタイミングで入れてくる。
笑いに包まれていた会場が、キョンキョンの一言、ひとつの表情ででピンと張り詰める
kyon2
急に空気感が変わるから、脳みそがびっくりしてキョンキョンワールドに追いつこうとする。それで、噺に没入しちゃう。

これ体感してもらわないと分かりづらいんだけど、ほんとに、天才のなせる技だって思うんです。

新作落語も良いけれど、古典落語も、もんのすごく良い。
師匠譲りの「人情噺」は目の前に江戸の世界が広がってホロリと泣かせ、『死神』とかダークな噺は背中がひんやりする。低く、ゆっくりした声で瞼を落として話す様子は、あのニコニコしたキョンキョンからは思いつかないくらい。

かと思いきや「古典クラッシャー」って評されるくらい、古典落語をアレンジしまくることもある。

おかげでファン層が幅広くって、私と同世代の女子もいれば、中学生くらいの男の子、アングラ文化に浸かってそうなお姉さまから、おじちゃんおばあちゃんまで。まあ、会場にもよるんだけど…ほとんどの年代の人が集まるキョンキョンの落語会って、他のエンターテイメントではなかなか見られない光景じゃないかと思います。

実力と人気を兼ね備えた、後世に必ず名を残す名人です。贔屓目でもなんでもなく、名人です。
落語初めての人はキョンキョンから入ったほうがいい!おすすめです!

フリーランスクリエイター。デザイン、イラスト、写真などやってます。 トダビューハイツ大家。 落語は柳家喬太郎師匠、時代劇は『江戸を斬る』『鬼平犯科帳』『清水次郎長』『一心太助』あたりが好き。
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