落語×ジョギング?!柳家喬太郎の三題噺をJOGLISで聞いてきたよー!【落語コラム】

Category: 落語 2017年9月25日 jog001

私の大好きな落語家・柳家喬太郎(やなぎや・きょうたろう)師匠。通称キョンキョンの独演会ってなかなか東京で開催されないし、開催されたとしてもチケット全然とれないんです。人気すぎて。

今日も今日とて「あ〜キョンキョンの落語聞きに行きたいな〜」とぼんやりしていた私のところに突然情報が舞い込みました。

「喬太郎師匠のトーク&落語会があります!! 場所はJOGLIS! 日曜の朝9時半スタート!」

えっ落語会ってこんな朝早かったっけ…というかJOGLISとは…
と思いながらも秒速で申し込みました。偶然にも先着30名だったそうで、滑り込めた奇跡に感謝です。

このイベント、ただの落語会ではありませんでした。

落語イベント【JOG×RAKUGO】by 柳家喬太郎×柴田幸子とは

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TOKYO FMでスポーツ番組を担当、現在フリーアナウンサーとして活躍する柴田幸子さん。そして「チケットが取れない落語家」の異名をとる人気落語家 柳家喬太郎師匠。
このたびTOKYO FM [キンキラ金曜日][ピロウトーク]でタッグを組んでいた二人が、3年半の時を経て再び半蔵門に集結!

師匠の即興落語「三題噺」も間近でお楽しみいただけます。
参加者にはサイン入りグッズ等が当たるプレゼント抽選会もありますのでお楽しみに!
公式WEBサイト

ということで、そう! キョンキョンファンにはおなじみ、柴田アナウンサーとのイベントだったんです!
「キンキラ金曜日」「ピロウトーク」リスナーとしてはめっちゃ嬉しいこのタッグ。ラジオが終わってから3年半くらい経ってます。あっという間だなあ…

会場のJOGLISって?

ランニングの定番コース、皇居。今回、イベントの会場になったJOGLISは皇居目の前にあるランナーのサポート施設です。
運営がTOKYO FMなので、「キンキラ金曜日」「ピロウトーク」のご縁でこのイベントが生まれたんですね。ふむふむ。

落語会だからてっきり高座が用意されているのかと思いきや、カフェスペースにおしゃれなバーカウンターチェアが準備されていました。
これは…レアな落語イベントかも…と高鳴る胸。
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席は抽選。前から3列目でした。めっちゃ近い。

キョン師と柴田アナの親子みたいな軽快落語トーク

このイベントのスケジュールがこちら。

10:00トークショー・落語スタート
11:00皇居ランスタート※柴田幸子アナウンサーのみ参加
12:00イベント終了予定

皇居ランは有志のみ参加OKとのことでしたので、貧弱な私は辞退をば…
お客さんの半分はランナーウェアで、半分は完全に落語を聞きに来た格好でした。

さて本題。まずはトークショーからです。

柴田アナウンサーの紹介で入場してきたキョンキョン。
「今日は何色の着物かな〜」と思いきや、まさかの私服で登場!

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紫のタータンチェックシャツにスラックス、なぜかパンパンのリュックと、ショルダーバッグ。そしてキャップ。
完全に週末のお父さんである。

「裏口から入ろうとしたら、警備員さんに『お客さんは正面から入ってください』って言われちゃったよ〜」とのこと。
キョン師が登場しただけで爆笑が起きたので、警備員さんの反応はごもっともだったと思います。

「俺は膝が悪いから走らないけど、膝が良くても走らないよ」と言いながら、小さなバーチェアに座る喬太郎師匠。激かわです。

という訳でトークショースタート。
ラジオリスナーにはおなじみですが、柴田アナとキョン師匠の掛け合いって親子みたいなんです。

「師匠って…ちゃんと落語家だったんですね…」
「失礼だな柴田、オイ!」

なんてやりとりがしょっちゅう。今回のトークショーもそんな会話がポンポン生まれていて、聞いてると自然と笑顔になるざっくばらん具合でした。

まさかの喬太郎による春風亭一之輔トーク

トークショーの内容は、大まかに言うと「ラジオの思い出」そして「落語について」。柴田アナと一緒にやっていたラジオで印象に残っていることや、寄席の話をいくつかされました。

中でも、「この話聞けてラッキー!」と思ったのが、春風亭一之輔(しゅんぷうてい・いちのすけ)師匠の話題。

喬:「今日お越しのみなさん、私が落語家ということで、もしかしたら著名な落語家や笑点メンバーとお仕事をしてるとお思いでしょう。
柳家小三治(やなぎや・こさんじ)師匠とか…あと、えーっと、いたかな…」

柴:「師匠そこはスラスラとお名前出していただかないと!笑」

喬:「ああ! 桂歌丸師匠とかね!
しかし私が普段お仕事しているのは、桃月庵白酒(とうげつあん・はくしゅ)や春風亭一之輔のような腹にドス黒い何かを溜めた人たちです。」

今一番売れているとも言われる一之輔の話が出たー! しかもいつも通り、愛ある毒舌!

喬:「あっ、しかも一之輔さんはここ(TOKYO FM)でレギュラーやってるね! しかも今日だよね! 居るんじゃないの?!」

柴:「もう帰られたそうです。」

喬:「そういうトコなんだよあいつは…
でも彼は忙しいから。
日曜朝にここ東京でラジオ収録して、そのあと長崎の仕事で一緒になることもある。大忙しの人だね。
“いっちゃん忙しいから体に気をつけて”って言ったら“師匠…そのままその言葉返します”って言われちゃったよ〜」

いっちゃん、って呼んでるんだ…かわいい…

頭の回転が速ぎる。喬太郎師匠の即興・三題噺(さんだいばなし)

トークショーの後は落語。
今回はただ落語をやるのではなく、お客さんからお題をもらって、その場で落語を作る「三題噺」です。
その場で、って神業だよな…

喬太郎師匠は2017年8月に上野の寄席・鈴本演芸場で10日間連続で三題噺をやる『柳家喬太郎 三題噺地獄』を開催していました。そう…私がチケットを取り損ねた落語会である…立ち見席すら完売した会である…(涙)

ということで、やっと三題噺聞けるぞ〜! と喜びの日でした。

ちなみに三題噺と「お題噺」は違うんだよ、という解説もしてくれました。これがまた凄かった。

喬:「お題噺というのは、お客様に借りた物や目の前にある物を使って話をすることです」

柴:「なるほど」

喬:「例えば…うーーんと…あ、ここにある、ペットボトルとペンと紙。(テーブルにたまたまあった物を手に取って)
これで噺を作るんです。」

柴:「というと?」

喬:「えーっと…

幸子! お前は東京で一人暮らししたと思ったら彼氏も作らずペットなんか飼ってそもそもお前は底が浅いんだ(ペットボトルの底を指しながら)

いつまでも独り身ではやく色をつけろよ(ペンを書きながら)

思い返せばお前は昔から、中身がペラペラしててさぁ(紙をペラペラさせながら)…

って感じでしょうか。まあ急ぎでやったものですが。」

柴:「すごい…」

その場でですよコレ! 沸き起こる拍手。

つまりお題噺は物を使って語るようにするけれど、三題噺はキーワードを元に「落語」に落とし込むのだそうです。

この日のキーワードは
①秋晴れ
②ロッカールーム
③ジョギング。

お客さんから挙手制でリクエストを募りました。
なんか、ちゃんとしたキーワードが出ましたね。よいお客さんたちだ〜。時々突拍子も無いリクエストする人もいますからね。

キョン師がその場で紙にメモりながら噺を考えること約5分。

辞めた上司のロッカーを片付ける女性社員。ロッカーに残された忘れ物を見つけ、一旦預かることに。
でも上司の連絡先は知らないし…

そして数年後、台風が過ぎた秋晴れの日。ジョギング中にばったり上司と再会して…

という一見、胸キュン噺が速攻で完成。

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※ジョギングの仕草をするとバーチェアが勝手に回転していく様子がめっちゃかわいかった

オチがまた鮮やかでした!
「秋に東京を離れて広島へ単身赴任するんだ」
「なんでですか?」
「秋は呉(くれ・暮れ)に向かうだろう?」

話しながら辻褄を合わせオチへ向かっていく神業

三題噺終了後にちょっとした解説もありました。そんな裏話も聞ける落語会、そうそう無いよ〜嬉しいなあ〜

まとめると

・お題が「秋晴れ」だから「五月晴れ」でもいいじゃんって噺にはしたくない
・秋といえば台風。そして年の暮れの前。
・広島の呉へ行く、というオチは決めてた
・ネタバレにならないよう最初から呉と言わず広島と言うように気をつけていた

・「ロッカーにひとつだけ残った忘れ物」にすべきところを「ゴミがたくさん残ってるロッカー」に間違えちゃったんです
・だからゴミのなかでも明らかに忘れ物とわかるもの…と話しながら考えて、指輪の小箱を忘れたことにした

・「忘れ物の中身は、上司が女性に渡しそびれた指輪」っていう胸キュン話にしようと思ってたけど、笑いがないな…じゃあ胸キュン話をやめて意外性のあるものが箱にしまってあったことにしよう

っていうのを、噺をしながら考えているそうです。
辻褄を合わせながら決めたオチに向けて話していく技!
しかも緩急があるからグッと話に入り込める。その場で作ったとは思えない完成度です。さっすが師匠!!

貴重な落語会でした。こういうチャンスは逃さず参加したいですね。うんうん。

フリーランスクリエイター。デザイン、イラスト、写真などやってます。 トダビューハイツ大家。 落語は柳家喬太郎師匠、時代劇は『江戸を斬る』『鬼平犯科帳』『清水次郎長』『一心太助』あたりが好き。
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